AEAJアロマテラピーシンポジウム1

先日、東京国際フォーラムで開催された、
アロマテラピーのシンポジウムに行って参りました。

テーマは、
「アメリカにおける補完代替医療教育と最先端のアロマテラピー研究」
(長っ…)

アメリカで最も権威ある、補完代替医療の教育機関、
ACHS(The American College of Health Science)の校長、
また、米国の認定アロマセラピスト機関、
ARC(AromatherapyRegistrationCouncil)の理事長でもある、
Dorene Petersen先生をお招きした講演会です。

米国のアロマテラピー事情を知る良い機会だと思い、参加してみました。

ちなみに600名の会場は、ほぼ満席。
AEAJアロマテラピーシンポジウム1 
これでも休憩時間…(↑)

 ドレーン先生のお話はもちろんALL英語。
ですが同時通訳レシーバーが配られ、
スムーズにお話を聞くことが出来ました。
おそらく通訳者もAEAJの方々なのでしょう。
次々と出て来るアロマテラピー独特の表現や用語も、
しっかり訳して頂き、分かり易く楽しく聞くことが出来ました。

講演内容は、
【第一部】
・米国認可のアロマテラピー教育と歴史。
・ACHSで実際に行われているプログラム。
 (プログラム。授与資格。支援制度。活動紹介。)
・アロマセラピストの資格について(ARC認定資格)
【第二部】
・最新の米国アロマ事情。
・米国での人気精油を基に、成分の特徴・使用効果など。
 医学的データについて。
で、様々な内容が紹介されました。

鈴猫自身の理解&復習も兼ねて(可能な範囲ですけど)
今回の内容を簡単に紹介します。


第一部から。

*補完代替医療教育機関ACHSについて。
 (The American College of Health Science)

元々1976~1991年にニュージーランド校の創設が前進。
(当時も略名ACHSは同じですが、
 Australasian College of Herbal Studiesでした。)

1998年、米国初オレゴン州で創設された州認可大学。
アロマテラピー、生薬(ハーブ)、ホリスティック栄養学、
補完療法、統合療法などの教育プログラムが有ります。

遠距離教育プログラムも行っており
インターネット+教材によって、世界中から受講可能。

海外研修も行われるようで、今年は5月に、
インドネシア研修ツアーが企画されているようです。

アロマテラピー・プログラムに関しては、
修了証やディプロマ過程など。
補完代替医療では、応用化学準学士、理学修士など、
学位も得ることが出来ます。
(ちなみに学士取得については、広く一般教養単位を
 必要とするため、現在は開設されていないようで。
 修士の取得希望者は別大学で、学士を取得後に、
 入学となるようです。)

また、授業はすべて英語で行われているので、
海外学生の入学条件は、TOFELだと、
大学500↑、大学院530↑、必要とのことでした。


*アロマセラピー登録委員会ARC
 (Aromatherapy Registration Council)、

 認定アロマセラピストRA
 (Registered Aromatherapist)について。

1997年に設立されたARCは、米国内で、
プロのアロマセラピストとして活躍できる資格、
RAの認定機関です。
ACHS校長でもある、ドレーン先生が理事を務めています。

受験資格は、国内外のACHS卒業生、
また海外アロマセラピストの場合だと、一定のプログラム修了、
訓練の証明・提示など諸条件を満たす方なら可能です。

しかも試験は、日本語、英語、中国語から言語も選択可能。
AEAJ資格がどこまで適応範囲かは分かりませんでしたが、
条件があえば取得できるかもです。

(あ。Web&メールで確認できると思います。)
ARC(Aromatherapy Registration Council)

ちなみに現在、RA取得者は全世界に300名以上。
日本人は2名でした。


*米国のアロマセラピストという資格について。

現在、米国では”国・州”の認可の“アロマセラピスト“
という資格は有りません。

ただ国内には、ARCの他にも、
ABMP、AIA、AHG、AHHA、IFEAT、IAM、NAHAなど、
10以上のアロマテラピー団体が有ります。
(日本にAEAJやAAJが有るのと同じですね。) 

日米ともに、アロマセラピストは、あくまでも法に準拠する範囲で、
知識や技術を提供できる資格です。

米国のアロマセラピストは、精油のブレンド、商品開発、販売、
アロマテラピー教育、コンサルティングなどが、
業務範囲として認められています。

実際、ACHS卒業、RA取得後のアロマセラピスト達は、
別の資格(マッサージ師、鍼灸師、自然療法士、医師、
看護師など)併用で、アロマテラピーを普及・展開させている
方々も多いそうです。

また米国アロマセラピストは、日本のAEAJで認定される
アロマインストラクター資格に似ているようです。

米国では、マッサージセラピストという資格が存在しているため、
人体に触れる施術などトリートメントで営業するのはNG。
別免許が必要となります。

ただし州法が独立しているため、
“ヘルス・フリーダム法”という法律の有る州では、
トリートメントも営業可能のようです。

ちなみに講演会後、日本でアロマセラピストをされている方から、
渡米後も同じようにプロとして働きたい場合について、
質問が有りましたが、
ドレーン先生は、RAの取得と州法に合わせた業務範囲の確認
を勧められていました。
「詳細については、よかったらメールでご相談ください」とも。
米国でアロマセラピスト業を行う場合、RA取得を起点に、
どの州なら活躍しやすいか、展開をはかるというのも、
一つの方法かも知れません。


*米国内で公的機関によるアロマテラピー活用

米国で実際にアロマテラピーを活用されている業界は、
やはり医療関連が筆頭かも知れません。

病院、メディカルセンター、マッサージ治療、ホリスティック薬局、
リハビリテーションセンター、漢方医など。

医療施設の場合、入院患者の睡眠改善や疼痛軽減、
不安感の緩和に活用されたり、
院内では、香り改善による外来・検査のストレス軽減にも、
役立っているようです。

また医療業界の他では、自然商品メーカーで開発、小売販売、
ウェルネス・コーチングセンター、スパ・アロマテラピー、
ヘルスケア店などでも活用されているようです。

余談…
鈴猫の個人的なイメージですが、
アロマテラピーは、英国やフランスなど欧米圏の方が、
歴史も長く、医療的に知名度が高いこと。
米国では、アロマトリートメントが風俗などのマッサージから、
取り込まれ始めたことから、イメージが定着してしまい、
誤解が広がった(でもそんな話を聞いたのは2006年以前)
という話も聞いていたことから、
欧米でも、アメリカではわりと普及が遅れている方なのかな…
と、勝手に思っておりました。

現在、米国公的機関におけるアロマテラピーの認識、活用範囲は、
日本よりもずっと広く受け入れられている印象を受けました。

・全米癌研究所(NCI)では、
健康的な暮らしを支える基本ケアや、医学的治療との併用として、
補完的療法にアロマテラピーを推奨しているとのこと。

・アメリカ退役軍人省(VA)では、
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対して、
アロマテラピーを推奨しているのだそうです。
きっかけは湾岸戦争後、戦死者よりも帰国後PTSDによる
自殺者が増えたことで、政府が対応を強化したとのこと。

・アメリカ疾病管理予防センターでは、
補完代替医療(CAM=Complementary and Alternative Medicine)
を利用した、慢性疾患予防について研究も開始しています。


第一部、とりあえずまとめてみました…。

内容盛りだくさんだけに、色々書いてると長くなりますね~。

というわけで。
第二部・最新の米国アロマ事情については、次回に書きまーす。。。



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