前回は、植物に含まれる主な有効成分について、グループ別でまとめました。
今回は、
ハーブの効果その特徴について、まとめてみます。
比較対象は、やはり医薬品です。
1つの植物(ハーブ)には、
数十~数百種の有効成分を含まれています。
そのため、作用には
多様性が有り、
相乗効果が期待されるわけです。
・
多様性
・1種類のハーブ(多種類の成分を含んでいるので)
多方向に作用。
・
心身の両方に、同時に効果をもたらします。
※効果の多様性は、メディカルハーブの大きな特徴です。
(症状に対して狙い撃ち型の“医薬品”には、あまり見られない効果)
例)・
マテ…フラボノイド、アルカロイド、ビタミン、ミネラル等を含む。
・
ラズベリーリーフ…フラボノイド、タンニン、ビタミン等を含む。
・
相乗効果
・2種以上のハーブがブレンドされることで、
それぞれの作用以上に効果をもたらすこと。
・ハーブの種類1+1=2種類の効果(足し算)ではなく、
ハーブ2種類だと2の2乗=4、3種類だと3の2乗=9
掛け算だと言われています。
☆相乗効果のハーブブレンド(ティーとして飲用)例。
①
同じ作用を持った別々の成分。
例)
エルダーフラワー+
ジャーマンカモミール
・エルダーフラワー…フラボノイド(ルチン)、カリウム:利尿作用
・ジャーマンカモミール…フラボノイド(アピゲニン)、
精油芳香物質(カマズレン):鎮静、鎮痙
②一つの成分を別の成分が
補助。
例)
ローズヒップ+ハイビスカス
・ローズヒップ…ビタミンC
・ハイビスカス…クエン酸
クエン酸が体内に補給されるビタミンCの利用効率を高める。
③
一見、矛盾する作用
例)整腸作用…
ジャーマンカモミール、ペパーミント。
:下痢&便秘
ともに整えるよう、はたらきかける。
例)整肌作用…
ローズヒップ、ハイビスカス。
:ビタミンC。緩下作用から便秘改善による肌への影響。
☆症状別ブレンドの例。
(例1)
アトピー性皮膚炎に。
・
ジャーマンカモミール+ローズヒップ
(
消炎作用)+(
ビタミンC)
※本来ならアトピーは(何にアレルギー反応が起こるかは
個人差がある)ため、あくまでも指標とされるブレンド。
(例2)
スポーツ後に。
・
ハイビスカス+ローズヒップ
(
疲労回復)+(
ビタミンC)
(例3)
のど、胃の痛みに。
・
マローブルー+ゆず or
レモン
(
アントシアニン色素)
+(
色素が褪せにくい)
(例4)くせのあるハーブティーは。
飲みやすくするブレンド。
・
エルダーフラワー+ペパーミント(軽く爽やかな香り)
…エルダーフラワーの癖のある香りを和らげる。
・
エキナセア+ローズヒップ(まろやかに)
…エキナセアの苦みを酸味で中和。
ハーブのブレンドは、2~3種類が原則。(精油も同様)
それ以上がタブーという訳ではなく、あくまで目安。
どの効果を期待するか明確にしやすいため。
(実際、市販されている香水などは多種類の精油がブレンドされ、
レシピが企業秘密になってたりしますね。)
【ハーブの効果。まとめ】
単一~数種の成分で出来ている「医薬品」は、目的の症状に対し、
ピンポイントかつ短時間で、強力に作用します。
しかしその分、他の心身機能に負担が生まれ、激しい副作用が出ることも有ります。
対照的に「ハーブ」は、数十~数百の多成分。
心身へ多角的、全体的にはたらきかけることで、効き目も穏やかに、
副作用が少ないまま(全く無いとは言い切れません)効果が期待できます。
自己治癒力を高めていくことで、症状の改善をはかります。
さてさて。
何だか眠くなるような、まとめ作業が続いていますが…(笑)
次回は、ハーブで期待される“身体への作用、はたらき”について。
ちょっと専門的な用語も出てくるので簡単な解説もいれつつ、
まとめていこうと思います。