メディカルハーブ・ノート【3】-2 成分・効果・作用

鈴猫りん

2013年02月23日 00:00

前回は、植物に含まれる主な有効成分について、グループ別でまとめました。
今回は、ハーブの効果その特徴について、まとめてみます。
比較対象は、やはり医薬品です。

1つの植物(ハーブ)には、数十~数百種の有効成分を含まれています。
そのため、作用には多様性が有り、相乗効果が期待されるわけです。

多様性
 ・1種類のハーブ(多種類の成分を含んでいるので)多方向に作用
 ・心身の両方に、同時に効果をもたらします。

※効果の多様性は、メディカルハーブの大きな特徴です。
 (症状に対して狙い撃ち型の“医薬品”には、あまり見られない効果)

例)・マテ…フラボノイド、アルカロイド、ビタミン、ミネラル等を含む。
  ・ラズベリーリーフ…フラボノイド、タンニン、ビタミン等を含む。

相乗効果
 ・2種以上のハーブがブレンドされることで、
  それぞれの作用以上に効果をもたらすこと。
 ・ハーブの種類1+1=2種類の効果(足し算)ではなく、
  ハーブ2種類だと2の2乗=4、3種類だと3の2乗=9
  掛け算だと言われています。

☆相乗効果のハーブブレンド(ティーとして飲用)例。

 ①同じ作用を持った別々の成分。
  例)エルダーフラワージャーマンカモミール
  ・エルダーフラワー…フラボノイド(ルチン)、カリウム:利尿作用
  ・ジャーマンカモミール…フラボノイド(アピゲニン)、
                精油芳香物質(カマズレン):鎮静、鎮痙

 ②一つの成分を別の成分が補助
  例)ローズヒップ+ハイビスカス
  ・ローズヒップ…ビタミンC
  ・ハイビスカス…クエン酸
  クエン酸が体内に補給されるビタミンCの利用効率を高める。

 ③一見、矛盾する作用
  例)整腸作用…ジャーマンカモミール、ペパーミント
   :下痢&便秘ともに整えるよう、はたらきかける。
  例)整肌作用…ローズヒップ、ハイビスカス
   :ビタミンC。緩下作用から便秘改善による肌への影響。

☆症状別ブレンドの例。

 (例1)アトピー性皮膚炎に。
  ・ジャーマンカモミール+ローズヒップ
   
(消炎作用)+(ビタミンC)
  ※本来ならアトピーは(何にアレルギー反応が起こるかは
   個人差がある)ため、あくまでも指標とされるブレンド。

 (例2)スポーツ後に。
  ・ハイビスカス+ローズヒップ
   
(疲労回復)+(ビタミンC)

 (例3)のど、胃の痛みに。
  ・マローブルー+ゆず or レモン
   
(アントシアニン色素)(色素が褪せにくい)

 (例4)くせのあるハーブティーは。
    飲みやすくするブレンド。
  ・エルダーフラワー+ペパーミント(軽く爽やかな香り)
   …エルダーフラワーの癖のある香りを和らげる。
  ・エキナセア+ローズヒップ(まろやかに)
   …エキナセアの苦みを酸味で中和。
 
ハーブのブレンドは、2~3種類が原則。(精油も同様)
それ以上がタブーという訳ではなく、あくまで目安。
どの効果を期待するか明確にしやすいため。
(実際、市販されている香水などは多種類の精油がブレンドされ、
 レシピが企業秘密になってたりしますね。)


【ハーブの効果。まとめ】

単一~数種の成分で出来ている「医薬品」は、目的の症状に対し、
ピンポイントかつ短時間で、強力に作用します。
しかしその分、他の心身機能に負担が生まれ、激しい副作用が出ることも有ります。

対照的に「ハーブ」は、数十~数百の多成分。
心身へ多角的、全体的にはたらきかけることで、効き目も穏やかに、
副作用が少ないまま(全く無いとは言い切れません)効果が期待できます。
自己治癒力を高めていくことで、症状の改善をはかります。


さてさて。
何だか眠くなるような、まとめ作業が続いていますが…(笑)

次回は、ハーブで期待される“身体への作用、はたらき”について。

ちょっと専門的な用語も出てくるので簡単な解説もいれつつ、
まとめていこうと思います。


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